ハンギングタイプのベゴニアはセンパー系の種を交配親とした「ドラゴンウ
イング」のような丈夫なものと球根ベゴニア系のものがあります。強い直射
日光を嫌う、という点から考えて後者だと思いますが、球根ベゴニアは全般
に環境が変わることをとても嫌がります。もともとアンデスの高地原産の原
種を交配させてできたものですから暑さは苦手で、さらに購入後の環境の変
化が加わりますから、初期の落蕾はある程度覚悟しなくてはなりません。環
境になじんで花が咲くようになるかどうかはひとえに温度環境に依存すると
考えた方がよいでしょう。空調が効いていて室温が30℃を越さない環境であ
れば、置かれた明るさに馴染めば花が期待できますが、夜温も含め30℃を越
すようだとだんだん弱って全体に枯れ込んできます。これは管理の良し悪し
ではなく、もともとの植物の性質なので仕方ありません。
少しでも暑さに慣らすためにはとにかく潅水をできるだけ控えて耐性をつけ
てもらうしかありません。少し萎れてくるくらいまで潅水間隔は空けた方が
いいでしょう。また、調子が悪くなってきたと感じて肥料を与えるのは絶対
厳禁です。最期の引導を渡してしまうはめになります。
残念ながら枯れが進んで葉や枝が黄色くなり萎れたり落ちたりし始めたら、
思い切って水を完全に切り、土を乾かしてしまいましょう。地下に球根が
残っているはずですから、それを取り出して乾いた砂かおがくずに入れて保
存しておきましょう。翌春できるだけ早く(温度が確保できれば2〜3月)
に新しい土に植えて芽出し、成長させ、長日処理(14時間以上の日長を保つ)
すれば暑さの影響が出る前に花を楽しむことが出来ます。
[2001年8月4日 21時45分6秒]